【農業経営者向け】今こそ「経営力」を高める時!2024年の中小企業白書から学ぶ
こんにちは!本日は、2024年版の中小企業白書の内容をもとに、農業を営む皆さまにとって大切な経営のヒントをお届けします。
1. 円安・物価高・金利上昇で利益が圧迫される時代へ
最近、円安が進んでいることをご存知の方も多いと思います。農業資材や燃料など、輸入品に頼る部分が多い農業経営では、この「円安」はコストの上昇につながります。
さらに、借入金利も上昇傾向にあり、「お金を借りて経営する」中小企業にとっては、今後さらに経費がかさむ恐れがあります。これは農業法人や個人農家にとっても無関係ではありません。
2. 賃上げの圧力と人材流出リスク
2024年は、中小企業でも賃上げが進み、平均で4.5%に迫る高水準となっています。しかし、これは売上や利益が上がっていない状況でも賃上げをしているケースが多く、経営にとっては大きな負担です。
しかも、大企業との賃金差はさらに広がっており、若手人材が農業を辞めて他業界へ流れてしまうリスクも高まっています。
3. コストカットでは限界!次の一手は「経営力」
こうした厳しい経営環境の中で、「コストを削るだけ」では限界があります。これからは、**「付加価値をどう生み出すか」**がカギになります。
たとえば:
- デジタル化(スマホで圃場管理、データによる収量予測)
- 適切な価格設定(採算をきちんと取る販売戦略)
- 商品の付加価値化(ストーリー・加工・直販強化)
を通じて、少ない資源でもしっかり儲けられる体制をつくる必要があります。
4. 白書が示す「経営力」とは?
中小企業白書では、経営力を次の3つの力に分けて解説しています。
①経営者の個人力
- 他業種の経営者との交流
- 学び直しや情報収集
→ 経営者自身が成長することが、経営の変化を生む第一歩です。
②戦略を考える力
- 経営計画を立てて実行する
- 売れる商品、利益が出る価格を考える
→ 経営に「作業」だけでなく「戦略」を取り入れましょう。
③組織と人を動かす力
- 従業員の意見を聞く
- 権限を任せて任せる
→ 「一人で何でもやる」から「チームで経営する」へ。
5. 売上10億円未満の農業経営者が乗り越えるべき「壁」
白書では、売上規模10億円未満の企業において、**「経営者の兼務解消」や「権限委譲」**が大きな課題であると指摘されています。
農業でも、次のようなことが成長のカギです:
- 現場作業と経営判断を分ける
- 事務・販路などを専門人材に任せる
- 自分にないスキルを持った人と組む
つまり、「すべてを一人で抱え込む時代」は終わりに近づいています。
まとめ:農業経営こそ、今「経営力」を鍛える時
農業は自然が相手であり、思うようにいかないことも多いですが、だからこそ「経営者の力」が問われる時代になってきました。
- 売る力(戦略)
- 育てる力(人材)
- つながる力(ネットワーク)
この3つを育てていけば、農業もまだまだ伸びる余地があります。
皆さんの経営がさらに力強いものになりますように。